スキーはなぜ曲がるか


古野 寛


今シーズンのスキー板は「カービング」タイプが大流行である。このタイプのスキーは幅が足の位置で細くくびれている。ビィンディングも「カービング対応」というものが売られている。

スキーのパラレルで曲がるためには大きく分けて二つの方法がある。一つは「ずらしターン」であり、これはテールをずらして曲がる方法で古くから教えられていた。もう一つの曲がり方は「カービングターン」で、こちらはずらしを入れないでエッジングで曲がる。競技スキーでは減速が少ないということでもてはやされてきた。

カービングの場合に重要になるのが「サイドカーブ」である。サイドカーブには体重でスキーがたわんだときにエッジを雪面に均等につけるためという目的もあった。1986年発行の「スキー上達の科学」(講談社ブルーバックス)ではこの目的しか書かれていない。「サイドカーブに沿って回るなら同じカーブしか回れない」と書かれている。しかしエッジングの角度とその強さ(体重のかけ方)とスキーの柔らかさにより、エッジが雪面とふれる部分の曲率半径は変わるのである。仮にサイドカーブが無くても、スキーをたわませて、エッジング(傾ける)すれば接触面はカーブになる。

これについて注目して1987年発行の「スキーの科学」(カッパサイエンス)では、エッジングとサイドカーブで「ずらすことなしにスキーは曲がる」ということを力説している。

なぜ10年もたってからスキーメーカーが「カービングスキー」を売り出したのかはよくわからない。でもパラレルターンになかなか近づけないスキーヤーには朗報だ。こまめに回るには、短めの、サイドカーブのついた、柔らかめのスキーを選べばよい。(長いスキーはサイドカーブが緩くなる。)

ただカービングターンは遠心力との戦いでもあり、足への負担も大きい。その意味で私のような年寄りは適度にずらしながらごまかして滑るのが良いのかもしれない。

アイスバーンでのトラバースなどでカービングの安定度がどうか、ということは最近カービングスキーを買った手嶋さんに聞いてみよう。

(1998/2/8)


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